イベントレポート
Oct 1, 2024

『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書』出版記念イベントレポート

2024年9月27日(金)に出版記念イベントを開催し、150名近くの皆様にお越しいただきました。当日はレベニューリーダーズの御三方にパネルディスカッションにご登壇いただき、レベニューオペレーションがどのように経営を支えるのか議論しました。

このたび、エンハンプ株式会社代表取締役兼ゼロワングロース株式会社取締役CROの川上エリカは、ゼロワングロース株式会社代表取締役丸井達郎と取締役兼COO廣崎依久とともに、2024年9月25日(水)に翔泳社より書籍『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識』を出版いたしました。これを記念して2024年9月27日(金)に出版記念イベントを開催し、150名近くの皆様にお越しいただきました。

当日は書籍のご紹介のほかに、レベニューリーダーズの小関貴志様、絹村 悠様、石野 真吾様にご登壇いただき、経営を支えるレベニューオペレーションについて議論しました。このブログでは、本イベントの様子をレポートします。

『RevOpsの教科書』出版記念イベント集合写真

書籍のご紹介

著者を代表してエンハンプ株式会社代表取締役川上エリカより書籍について紹介させていただきました。

『RevOpsの教科書』

川上「レベニューオペレーション(RevOps)とは、持続的な収益成長を実現するためにレベニュー組織の協業プロセスを強化し戦略や戦術面で生産性向上を実現する方法論であり役割です。つまり、安定したビジネス成長を実現するためには、レベニュー組織の各フィールド部門(マーケティング、営業、カスタマーサクセス)での活動が「測定可能」で、「実行可能」で、「再現可能」であり、それを戦略、戦術面で支えるのがRevOpsだということです。」

書籍のインタビューでもCEOエド・キング氏にご協力いただいたRevTech企業であるOpenpriseの米国での調査によると、すでにRevOpsがあるという回答をした企業は67.5%でした。RevOpsという言葉が聞かれるようになったのは2018年、IT企業を中心にRevOpsの概念が広がりはじめ、少し遅れる形で、製造業、金融、ヘルスケア、コンサルティング会社や人材会社などに広がっていき、異業界への広がりを見せてから数年経とうとしているというのが現在です。RevOpsの欧米でのベルカーブでいうと、イノベーターとアーリーアダプターは経て、アーリーマジョリティの段階にすでに入っていると言えます。

RevOpsはGo-To-Market戦略(GTM戦略)を土台に4本柱で構成されます。オペレーションマネジメント、レベニューイネーブルメント、RevTechマネジメント、データマネジメント&インサイトとある中で、このセッションではRevTechマネジメントのトレンドについて1つピックアップしてご紹介しました。

川上「テクノロジースタックの構築において大事なキーワードとなっているのが、コンポーザビリティです。コンポーザビリティとは、交換、組み合わせ可能な独立した要素でシステムを構築し、必要に応じて簡単に追加、削除、または交換できる状態のことです。つまり、それぞれのアプリケーションが相互に影響を受けずに簡単に入れ替えられることです。レベニュー組織で運用されているシステムはアプリケーションを変更するたびに他のシステムが影響を受けるようなケースがあります。これだと、データモデルを変更したり、新しいタッチポイントから入るデータに対応したりといったようなことが柔軟にできません。コンポーザビリティが高いシステムは当然ながら柔軟性とカスタマイズ性、機敏性が高まります。特定のニーズに応じて、あらゆるシステムとの統合の煩わしさを軽減した状態で、C D Pを進化させることができたり、データの分散を防いだりすることにもなります。」

統合されたSource of Truth

セキュリティやコンプライアンスの問題もあるので、ただコンポーザビリティを高めれば正解ということではありません。部門横断的に顧客像を可視化する必要がある中で、これから注目されるテーマであることは間違いありません。

パネルディスカッション

ディスカッションの様子

このパネルディスカッションでは引き続き弊社川上がモデレーターを務め、レベニューリーダーとして組織運営に不可欠なRevOpsについてディスカッションを行いました。 

写真左より

  • エンハンプ株式会社代表取締役川上エリカ
  • Coupa株式会社 代表取締役社長小関 貴志様
  • Gainsight株式会社 代表取締役社長 絹村悠様
  • クリエイティブサーベイ株式会社代表取締役 石野 真吾様

レベニューオペレーションと経営戦略

小関様「経営においてこのRevOpsの与えるインパクトは大きく、役割の重要性は高まるばかりです。弊社でもオペレーションモデルを1つに集約し、CROという同じリーダーの元にフィールド組織を集める動きをグローバルでも少し前に実施しました。分散していると、会社全体の方向性や思惑と異なるところで意思決定が起きてしまうことがあります。自部門にとって目に優しい数字、他の部署を説得するためのデータではなく、会社として必要な経営判断を実施できることが重要ではないでしょうか。」

 絹村様と石野様も同意しておられ、「共通のデータを見て判断し、共通言語で事業運営を実施する」ことの価値について共感しておられました。

レベニュー成長のための意思決定、イノベーションと競争力の維持

絹村様「会社全体で必要な意思決定を実施する際には先程の話同様、統合されたデータと共通言語が不可欠です。その前提をもってそれぞれの部門でデータを見て、意思決定のサイクルを早めていくことが重要であり、今はそこにAIも活用してスピーディな判断ができるようにしています。そして顧客理解の解像度があがることそのものが競争優位性につながっていくと考えています。」

小関様からもデータは全体観を捉え、トレンドを掴んでいくことも重要だとお話いただきました。情報はイノベーションの源泉であり、競争力を高めるのに不可欠ですが、数が多いから正解とするのではなく、異なる意見の中に見られる共通点などを顧客の声や社員の声から把握していくことの重要性も教えていただきました。

今後のレベニュー組織の未来

定量的なことはサイエンス、人間だからこその定性的なことを突き詰めていく先には、管理するだけのマネージャの必要性は低下していくでしょう、と石野様。データを蓄積し、必要な形式で可視化できていれば、現場の誰でも判断ができるようになっていく、その先に人だからこそ発揮できるリーダーシップが求められていくといいます。

小関様「来たるべき未来に備えてデータを集めることは重要なことですね。それにより、AI活用などの際に大きな差を発揮できることにも繋がります。そして仕事は増えると思います。少し前にインサイドセールスやカスタマーサクセスという仕事に注目が集まりました。これからの未来もそういう仕事が必ず出てくる。営業の人数が減る代わりに一人ひとりにAIを活用できる秘書のような方がついてめちゃくちゃ生産性を高めることができるなど、どんな未来かはわかりませんが、なくなる仕事が出る代わりに生まれる仕事もたくさんあるでしょうね。」

最後に会場の皆様へのメッセージとして小関様から印象的なお言葉がありました。

やりたいことがあるのであればやりたいことができる環境に身を置くことが大切。幾度となく提案しても今の場所ではできないこともあるかもしれません。しかし時間には限りがあるもの。旬なうちに旬な領域の第一人者になることにチャレンジしくことができるとおもしろいのではないでしょうか。

 (ちなみに、ゼロワングロース株式会社もエンハンプ株式会社も関心を持ってジョインしてくれる方を募集しております)

モデレーターとパネリストの記念ショット、RevOpsライオンくんとともに

アップデート

ゼロワングロース株式会社代表取締役の丸井達郎から、新取締役として安竹由起夫の着任やマレーシア法人設立を発表させていただきました。今後、エンハンプ株式会社、ゼロワングロース株式会社に加えてマレーシア法人01GROWTH Sdn Bhdの3社で皆様のビジネス進化を支援してまいります。

ゼロワングロース、エンハンプ、01GROWTH Sdn Bhd

また、THE REVENUEのスピーカー様を発表させていただきました。福田康隆様によるキーノート「グローバル標準のレベニューグロース戦略〜持続的成長を支えるベストプラクティス」、落合博満様による「決断と采配〜常勝チームを作り上げる戦略的思考とリーダーシップの在り方」など見どころしかないカンファレンスになってきております。

ご登録はこちら:

https://lp.the-revenue.com/ng/answers/20241122_THEREVENUE_01G/

まだこれからスポンサー様やタイムテーブルの情報は順次アップデートされてまいります。

お礼

出版記念イベントには、お客様やパートナー様、元同僚の皆様、その他この領域に関心をお持ちいただいている皆様など多くの方々にご参加いただきました。お忙しい中、そしてあいにくの天候でお足元が悪い中ご来場いただき、誠にありがとうございました。

イベントの開始にあたり、著者一同が長年そして日頃より大変お世話になっているジャパン・クラウド・コンピューティング株式会社パートナー ジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社 代表取締役社長の福田康隆様より乾杯のご挨拶をいただきました。

乾杯ご挨拶中の福田さん。笑顔のワンショット。

福田さん、著者のわがままを聞いていただき誠にありがとうございました。書籍出版や弊社グループの新しいスタートのタイミングを福田さんの乾杯のご挨拶から始められたことはとても光栄なことです。いつも温かなお心遣いを賜り心から感謝しております。

お世話になった大久保さんを囲んで

書籍の編集をご担当いただきました株式会社翔泳社書籍編集部第6課の大久保遥様からも、本書出版の経緯についてお言葉をいただきました。レベニューオペレーションは日本で情報量が少ない中で企画段階から熱心にリサーチいただき、読者の皆様にわかりやすく伝わるようにという観点で数々のフィードバックをいただきました。大久保さんには感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

また、出版記念イベントのスライドや写真パネル、ノベルティにも登場しておりましたRevOpsライオンくん🦁を株式会社トッカヴィルの遠藤 宏幸様に制作いただきました。ライオンに込めた想いを受け取っていただき、すばらしいロゴを生み出していただき本当にありがとうございました。大切にしてまいります。

最後に、今回の出版記念イベントの司会をご担当いただきました今村和広様、ゼロワングロース株式会社初期の頃より応援していただき、今回もイベントをサポートいただき誠にありがとうございました。これからも共に歩んでいけますと幸甚です。

エンハンプ株式会社、ゼロワングロース株式会社チーム一同、皆様に感謝申し上げます。

エンハンプ&ゼロワングロースチーム
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